カシオ計算機は2026年6月4日、航空機コックピット向けに設計した新型G-SHOCK「GWR-B3000」を発表した。このモデルは、同社のプロフェッショナル向けライン「GRAVITYMASTER」に新たに加わる。振動や衝撃が絶えないコックピット環境において、正確な計時と耐久性を両立することを目指したという。新開発のムーブメント「TOUGH MVT. 2」がその中核をなす。
新ムーブメントがもたらす耐衝撃・耐磁性能
従来のTOUGH MVT. の機能を拡張したTOUGH MVT. 2は、衝撃と磁場に自律的に対応する二つの新機能を備える。具体的には、衝撃検知による自動針位置補正機能が追加された。強い衝撃を検知すると、瞬時に針の位置を修正し、正確な時刻表示を維持する。もう一つは磁気検出機能で、強力な磁場を感知すると針の動作を一時停止する。これにより、針のずれを防ぐ。磁場が消失すれば、通常動作に復帰し、時刻の正確性は保たれる。これらの機能は、磁気干渉や突然の衝撃が頻発するコックピット特有の課題に応える。
AIシミュレーションによる構造最適化
本機のケースは、複数の精密部品から構成されるデュアルホローケース構造を採用している。各部品はAIによる衝撃耐性解析を用いて設計され、衝撃、遠心力、振動のシミュレーションを繰り返し最適化された。金属射出成形(MIM)で高精度に成形された複数の金属部品が、樹脂製の衝撃吸収材と組み合わされている。この結果、スリムなプロファイルを実現しつつ、必要な耐衝撃性を確保した。装着時の快適さとタフネスを両立させる設計だ。
コックピットでの視認性を極限まで高めたマットダイヤル
同社は新たにマットダイヤルを開発した。微細加工された表面テクスチャが入射光を拡散し、反射を低減する。これにより、直射日光下でも時刻が一目で読み取れ、パイロットが視認性に悩まされることなく計時できる。フライト中、素早く時刻を確認する必要があるパイロットにとって、この視認性の向上は重要な要素となる。まさにコックピットでの使用を前提とした設計思想が表れている。
GWR-B3000は、GRAVITYMASTERラインのさらなる進化を示す製品だ。TOUGH MVT. 2、デュアルホローケース、低反射ダイヤルという三つの要素が、航空機パイロット向けの専門ツールとしての完成度を高める。これらの技術的進歩は、コックピット運用の細かな要求に応えるという明確な焦点を反映している。安全性とパフォーマンスに直結する、あらゆる細部への配慮が随所に見られる。
