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スペースX、IPO価格1株135ドル—6月12日ナスダック上場で史上最大の750億ドル調達へ

The Premise News Team
スペースX、IPO価格1株135ドル—6月12日ナスダック上場で史上最大の750億ドル調達へ Photo by Official SpaceX Photos

スペースXが新規株式公開(IPO)の価格を1株135ドルに設定し、6月12日にナスダック市場にデビューすると発表した。この異例の早期価格開示により、同社は最大750億ドルの資金調達を目指す。実現すれば、サウジアラビアのサウジアラムコが2019年に記録した256億ドルを大幅に上回り、史上最大のIPOとなる可能性がある。評価額は1.75兆ドルに達し、イーロン・マスク氏が80%超の株式を保有するスペースXは、世界初のtrillionaire(兆長者)を生み出す企業として注目を集めている。

異例の早期価格発表が市場に衝撃

通常、企業は取引開始の前日にIPO価格を開示する。しかしスペースXは数週間前から1株135ドルという数字を公表し、市場を驚かせた。この早期発表は、同社が自社の評価に強い自信を持っていることを示している。最終的な売却価格は投資家の需要によって変動するため、実際の調達額は上下する可能性がある。上場日は6月12日に確定しており、巨額の資金が世界中から集まると予想される。

評価額と売上高の乖離に疑問の声

市場調査会社Mergermarketのキャピタルマーケッツ担当ディレクター、サミュエル・カー氏は、スペースXの評価額が「信じられないほど高い」と指摘する。同氏によれば、評価額と売上高の比率は、いわゆる「マグニフィセント・セブン」(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、エヌビディア、マイクロソフト、テスラ)のいずれをも上回る。スペースXの評価は将来の収益と利益に基づいており、現在の財務実績を反映していない。カー氏は、長期的な成長可能性に賭ける投資家を引き付ける可能性があると語った。さらに同氏は、一部の投資家は成長の約束を前に高い評価を無視するかもしれないと付け加えた。

財務状況とAI依存が内包するリスク

楽観的な見通しの一方で、スペースXの直近の業績は厳しい。2025年の収益は186億ドルだったが、純損失は49億ドルに上った。2026年第1四半期の売上高は47億ドル、純損失は43億ドルと赤字幅が拡大している。総資産は1020億ドル(ロケットや設備など)だが、負債は605億ドル。ベンチャーキャピタルのラックス・キャピタル、ローレンス・ペブスナー氏は、同社の人工知能(AI)への注力を「リスキー」と評した。同氏は「スペースXは単なる打ち上げ会社から衛星インターネット企業、そして今やソーシャルメディア企業兼AIラボへと変貌した」と指摘する。

AI投資競争の中でのIPO

スペースXの上場は、AI分野への資金調達競争が世界的に激化する中で行われる。AI企業アンスロピックは2026年中に自社のIPOを計画している。アルファベット(グーグル)はAI投資のため800億ドルの調達を発表。オープンAIも今年中の上場を検討していると報じられている。こうした競争環境がスペースXの株式需要に影響を与える可能性がある。同社は既にチャットボット「グロク」を運営するxAIを傘下に持ち、AI衛星や軌道上データセンターの打ち上げを計画している。

史上最大のIPOへの道のりとムスク氏の運命

IPOが成功すれば、イーロン・マスク氏は世界初のtrillionaireとなる。だが、結果は保証されていない。ディーロジックのデータによれば、過去30年間に新規公開した企業の半数近くが、初値に対して株価を下落させている。現行のIPO調達額記録はサウジアラムコの256億ドル。スペースXが目標とする750億ドルはその3倍に相当するが、実現には投資家の信頼が必要だ。現時点で同社は数十億ドルの損失を計上しており、巨額の評価に見合う成長を示せるかが鍵となる。

The Premise News 編集部の見解: スペースXのIPOは、単なる数十億ドルの金融取引ではない。ハイリスクなテクノロジー企業が将来の約束だけで天文学的な評価を維持できるかどうか、試金石となる。マスク氏個人の資産以上に、同社が宇宙事業とAIへの野望を実際の利益に転換できるかが問われている。収益が伸びても損失が拡大する矛盾は、常に資金注入に依存するビジネスモデルの脆弱性を露呈する。市場は今後数週間、機関投資家の需要を注視すべきだ。特にAI向け資金の奪い合いが激化する中で、IPOが失敗したり株価が下落したりすれば、他のハイテク新規公開の熱気を冷ます可能性がある。逆に成功すれば、スペースXは世界で最も価値のある企業の一つとなり、マスク氏は初のtrillionaireとして、格差とイノベーションに関する議論を再定義するだろう。

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